クレーム・ド・カシスとは?

クレーム・ド・カシス(Crème de Cassis)はカシスオレンジには欠かせない最も代表的なカシスリキュールです。

クレーム・ド・カシス=カシスリキュールとか、クレーム・ド・カシスはカシスリキュールの商品名と捉えている方も多いと思いますが、そうではありません。

クレーム・ド・カシスはカシスリキュールの種類、もしくは品質規定を示す名称です。

クレーム・ド・カシスはフランス語で、Crème de Cassisとなり、直訳すると「カシスのクリーム」となります。”Crème”は生クリームのクリームです。

この名前が意味するのは「クリームのように甘いカシスリキュール」ということです。

つまり、カシスリキュールの中でもとっても”甘い”ということが強調されているわけです。

ちなみに「クレーム・ド・」という用語はクレーム・ド・カシスだけに使われるものではなく、「クレーム・ド・ペシュ(桃)」「クレーム・ド・アプリコット」「クレーム・ド・ストロベリー」「クレーム・ド・ココア」などがあります。

クレーム・ド・カシスの定義

その甘さを示す名前の通り、「クレーム・ド~」という名称を使う場合はEUでその条件が定められています。

EUの品質規定では「クレーム・ド・~」という名称を使う場合は1リットルあたり250gの糖分が含まれていることが条件となっています。

しかし「クレーム・ド・カシス」の場合は更に規定があり、1リットルあたり400g以上の糖分が含まれていることが条件となります。

更に主な生産国であるフランスではリキュールの定義にアルコール度数が15%以上含まれている必要があるため、クレーム・ド・カシスとは「アルコール度数が15%以上で、400g/1Lの糖が含まれているカシスのお酒」という認識が一般的に浸透しています。

クレーム・ド・カシス・ド・ディジョンの定義

クレーム・ド・カシスの品質規定に加え、「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン(Crème de Cassis de Dijon) 」という名称を使うには更に条件が必要です。

「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」はAOC(フランスの品質保証規定)で定められたカシス(黒スグリ)の品質を保証する名称です。ディジョンとはフランス・ブルゴーニュ地方の中心都市で、エスカルゴやトリュフ、マスタードが有名な美食の産地でもあります。そしてディジョン市はクレーム・ド・カシス発祥の地でもあります。

クレーム・ド・カシス・ド・ディジョンはディジョン市を中心としたコート=ドール地区で穫れたカシス(黒スグリ)のみで作られたクレーム・ド・カシスに与えられる称号です。コート=ドール地区は代表的なワインの産地でもあります。

つまり「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」とはカシスリキュールの高級品ということです。といっても日本で知られているカシスリキュールの多くはクレーム・ド・カシス・ド・ディジョンです。

クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ

カシスの量や製法などを更に厳格に定めた品質規定を策定する流れがあり、その名称が「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ」です。ただし、これはまだ明確な規定が定まっているわけではありません。

しかし、現在の風潮として「ド・ブルゴーニュ」と名称のつくものは、ノワール・ド・ブルゴーニュ(カシスの品種)を多く使った最上級のクレーム・ド・カシスという意味合いを出すものが多いです。

勿論、品質保証されている名称ではないのでインチキもあります。

クレーム・ド・カシスの歴史

クレーム・ド・カシスは1841年、日本でもお馴染みの”ルジェ・カシス”を販売している「ルジェ・ラグート社」の創始者オーギュスト・デニス・ラグートによって開発されました。

それまでのカシスリキュールは薬用もしくは家庭用の色合いが強かったのですが、このクレーム・ド・カシスの登場によって嗜好品としてのステイタスを得て、商品としての流通が広まったと言えます。

そして、クレーム・ド・カシスの名を更に広めたのは「キール」の存在です。キールはクレーム・ド・カシスに白ワインを加えたカクテルで、ディジョン市の名物市長だったフェリックス・キールが考案しました。そしてフェリックス・キールの積極的な宣伝によってキールと共にクレーム・ド・カシスが広まっていったのです。

クレーム・ド・カシスの製造法

クレーム・ド・カシスの製法は基本的に蒸留しない冷浸漬法です。新鮮なカシス(黒スグリ)の果実を粉砕し、アルコールの中に5週間以上漬け込む、砂糖を加え濾過して完成。

商品によってカシスを蒸留した液体やカシスの蕾の抽出エキスなどの隠し味を加えることもあります。

クレーム・ド・カシスは温度変化に弱く酸化しやすいため、新鮮なカシスを低温で酸化しないように作ることがポイントとなります。

クレーム・ド・カシスの飲み方

クレーム・ド・カシスは非常に甘いのでストレートでは飲めません。

世界でもっとも愛用されている飲み方は白ワインを加える「キール」、そしてスパークリングワインを加える「キールロワイヤル」です。

日本でもっとも知られているのは勿論、オレンジを加えた「カシスオレンジ」です。

世界的にクレーム・ド・カシスはカクテルで飲まれることが多いですが、日本ではオレンジやソーダ、ウーロン茶などで割る飲み方が一般的になっています。

クレーム・ド・カシスの種類

日本で一番有名で売れているクレーム・ド・カシスは「ルジェ(ルジェ・クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン)」です。クレーム・ド・カシスの元祖であり、日本で販売されているクレーム・ド・カシスの殆どはルジェです。

しかし、本場フランスで一番売れているのはレリティエ・グヨ社の「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」です。輸出量もNo.1ということですから、世界でもっとも飲まれているのはレリティエ・グヨ社のクレーム・ド・カシス・ド・ディジョンと言えるでしょう。

ちなみにルジェは2位で、世界35ヶ国に輸出されていますが日本が最大のマーケットとのことです。

その他にも魅力的なクレーム・ド・カシスがいくつかあります。

興味のある方はこちらをご覧下さい。→「クレーム・ド・カシスの種類」

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●本格的なBarで使用されているのはこのカシスリキュール
●ルジェ社によるカシスリキュールの最高峰